友達の作り方~ゴリラ型で生きたい人へ~

『フェミニズムに出会って長生きしたくなった。』『モヤる言葉、ヤバイ人』などで知られるアルテイシアさん。毒親問題からフェミニズムまで、ヘビーな内容もストレスフルな現象もコミカルに楽しく分析してくれるコラム。今回は「友達作りのコツとは?」です。

 

どうすれば友人関係をキープできますか?

「アルさんはいろんな困難を乗り越えて強いですね」とよく言われるが、私はまったく強い人間ではない。ドラゴンボールでいうとウーロン(豚)並みによわよわである。

弱くても生きてこられたのは、本音や弱音を話せる友達がいたからだ。

自分は一人じゃ生きていけない人間だと自覚していたからこそ、友達を作る努力をしてきた。

大学時代は「私って友達がいないな」とめそめそ泣いたりしたが、40代の今は友人に恵まれていると思う。

毒親育ちでも、頼れる友達がいればなんとかなる。そう実感している立場から「友達作りのコツ」について書きたい。

「就職、結婚、出産などでライフステージが変わったり、価値観がすれ違ってしまったりして、友人と疎遠になることが多い。どうすれば友人関係をキープできますか? また、大人になってから友達は作れますか?」

読者の方からこんな相談をよくいただく。同じように悩む人は多いんだなと思う。

友達は季節に咲く花のようなもの。

これは作家の深沢七郎氏の言葉である。

花が散ることもあれば咲くこともあるように、友人と距離が近づくこともあれば疎遠になることもある。

疎遠になる友人がいるのは寂しいけど、しかたないと思う。時間とともに状況や価値観は変わっていくから。

「あたしたち、腹心の友ね!」と誓い合ってズッ友でいられるのは素晴らしいけど、友情が終わることもあれば、一度途絶えた友情が復活することもある。

結局は「そのときどきの自分」に合う人が残るのだと思う。

私にとって友達とは「自分が好きで、会いたいと思う人」だ。

付き合いの長さや会う頻度は関係なくて、たとえ数年に一度しか会わなくても、自分が「好きだな、会いたいな」と思う人が友達だと思っている。

自分でも忘れているが、拙者は一応恋愛コラムニストでもあって「モテよりマッチング」と提唱してきた。

これはパートナーも友達も同じである。

「みんなに好かれたい」「誰にも嫌われたくない」と思っていると、自分を削って無理に相手に合わせることになってしんどい。

おまけに厄介な人を引き寄せて、妖怪ホイホイになってしまったりもする。

よって、友達作りでも「自分が相手を好きか?一緒にいて居心地がいいか?」を意識しよう。

この人のこと好きだな、一緒にいて居心地がいいな…と思う人と仲良くして、そうじゃない人とは一定の距離を置く、これが快適な人間関係を築くコツである。

この人といると削られるけど腐れ縁で切れなくて…という相手とは、いったん距離を置いてみよう。

その場合は「忙しくてさー実質1時間しか寝てないからつれーわー」と地獄のミサワ返しがおすすめだ。すると相手の方が「うぜーわー」と距離を置いてくれる可能性が高い。

腐れ縁を断ち切れば、新たな縁が生まれる。新しい友達を作ろう!という気運が高まる。

気の合う新しい友達ができれば、終わってしまった友情に対する未練も薄れる。この点も恋愛と同じである。

 

友達作りの一番のコツは?

では友達作りの一番のコツは?というと「自分から誘うこと」である。

友達が多い人は魅力的な人とか面白い人とか思われがちだが、実際は自分から誘う人なのだ。

というのも、日本人は「誘われ待ち」の人が多いから。

自分からは誘わないけど誘われたら行くという人が多数派なので、私も9割は自分から誘っている。

たまにはそっちから誘ってくれよと思うけど、友人たちは「アルが誘ってくれるからありがたいわ~」と言っているので、自分は“誘う”という宿星のもとに生まれたのだと割り切っている。

なので友達を作りたい人は自分からジャンジャン誘おう。

断られたらどうしよう、迷惑がられたらどうしよう…と最初は身構えてしまうけど、ジャンジャン誘っているうちに慣れていく。

誘う時はあれこれ考えずに「ごはん行かない?」「女子会しない?」「ZOOM飲みしない?」とさくっと気軽に誘う方が、相手も気軽にオッケーしやすい。

私は一対一で誘うこともあるが、複数に声をかけることの方が多い。

LINEやFacebookでグループを作って「ごはん行かない?」と呼びかけると、大体一人や二人ぐらいは来てくれる。

また、季節のイベントを企画するのもおすすめだ。

大がかりなものじゃなく、クリスマスにケーキを食べるとか、バレンタインにチョコを持ち寄るとか、ひな祭りに甘酒や桜餅を楽しむとか…糖尿病になりそうだが、イベントを企画すると定期的に集まるキッカケになる。

私はキリスト教の女子校出身なので、同級生たちと毎年クリスマスに讃美歌を歌う会を企画している。

乾燥しがちなお年頃なので、みんな歌う前は唇が裂けないようにリップを塗りまくり、イエスの誕生を祝う歌を合唱しながら、酸欠で息も絶え絶えになっている。

45歳になると子育ても一段落して、また集まれるようになる友人も多い。ついこの間まで乳飲み子だったのにもう中学生か!と他人の子の成長の早さにびっくりする。

既婚未婚子持ち子なしを問わず、硝子の中年時代は「健康」がホットトピックになるお年頃。

私も友人たちと「産後に頻尿と尿漏れがヤバくなった」「わかる!私も子ども産んでから朝までもたない」「私は子ども産んでないけど朝までもたないよ、あと尿漏れもする」「マジで?」とキャッキャウフフしている。

尿漏れする年になっても友達は作れるし、大人になってからの方が価値観の合う友達を作りやすい。

学校や職場で「さあ仲良くなれ!」と言われても無理ゲーだろう。

いろんな価値観の人がごちゃ混ぜの空間で合わない人がいるのは当然であり、無理に友達になる必要はない。

 

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ネットやSNSで同じ趣味や興味を持つ人を探してみよう

価値観の合う友達がほしければ、自分に合いそうな人がいる場所を探そう。

俺たちにはインターネットがあるッ!!

とジョジョっぽく表現したが、私も周りも最近はネット経由で友達を作っている。

ネットやSNSで同じ趣味や興味を持つ人とつながれるコミュニティやイベントを探してみよう。

たとえばツイッターで同じジャンルや作品を好きな人とか、フェミニズムに興味のある人とつながって、リプやDMのやりとりをして仲良くなった、といった話もよく聞く。

ツイートを読んでいけば相手の価値観がわかるし、オンラインなら人見知りでも話しやすいし、利害関係がないので本音を話しやすい、といった声もよく耳にする。

女性が安心して本音を話せる場所を作りたいと思って、私は「アルテイシアの大人の女子校」という読者コミュニティを始めた。

メンバー同士とても仲が良いのは、私の文章を好きになってくれた人たちなので、価値観が合うからだと思う。

「周りの人には話しづらい、毒親や政治やフェミニズムやセクシャリティの話ができる」
「安心して悩みや弱音を話せるし、みんなが理解共感してくれるので癒される」

そんな声がメンバーから寄せられる。

コロナ禍前は芋ほりやシイタケ狩り遠足に出かけたりしたが、状況が落ち着いたらまた修学旅行もしたいね、と話している。

ハイキング部も発足したので、山登りで足を鍛えて死ぬまで歩けるおばあさんを目指したい。ついでに骨盤底筋を鍛えて尿漏れを防ぎたい。

いまや人生百年時代と言われて、日本人の寿命はゾウガメ並みに延びている。

45歳でもまだ半周いってないのかとぞっとするが、寿命は自分では選べない。もし百歳まで生きるとしたら、死ぬのは2075年である。

2075年なんてSFやないか。その頃、前澤さんは宇宙に住んでいるかもしれない。

ちなみに若者の間では「2000年代生まれ」「1000年代生まれ」という区分があるらしいが、それだと源頼朝とかも同じグループになるし、幅が広すぎやしないか。

 

80歳の時に健康な人に共通するのは、50歳の時点で良き友人がいること

ハーバード大学の研究によると、80歳の時に健康な人に共通するのは、50歳の時点で良き友人がいることなんだとか。

まあそうだよな、ヒトは群れで生きる生き物だもんな…と霊長類について調べてみると、ゴリラやチンパンジーなど霊長類の多くは群れで生活しているが、群れを作らずに単独生活している霊長類もいて、その代表がオランウータンだそうだ。

「来世は悪役令嬢よりもオランウータンに転生したい」という人もいるだろう。

人付き合いが苦手な人もいるし、人には向き不向きがある。人間は多様でカラフルで、だから面白いのだ。

また前回も書いたように、人類の存続には多様性が必要なのだ。みなさんも傑作漫画『7SEEDS』を読んでみてね。

私はあれを読んだおかげで「コロナなどなんぼのものか、絶対に生き延びてやる」と思った。トイレットペーパーの代用になるような、尻を拭く草を栽培しようかとも考えた。

柔らかい葉っぱをよく揉んで使えば…と尻を拭く話はおいといて、孤独に弱い私はオランウータンにはなれない。

一人でも生きていける完全生命体タイプに憧れるが、私はゴリラ型で生きていきたい。

おばあさんになっても女友達とキャッキャウフフしたいし、老後は女だけのデンデラで暮らしたい。

みんなでドッと笑った瞬間ドッと尿漏れしながら、支え合っていきたいと思う。

 

 

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